283/365日の出来ごと

《甲州 i-vines vineyard 2017》を口に含むと、フランスの青空を眺めているようだった

さてさて、

令和二年、

あけましておめでとうございます。

 

新年一発目の投稿は、

日本人らしく日本のワインで幕開けです。

 

【甲州 i-vines vineyard 2017 / シャトー酒折ワイナリー】

です。

 

言わずと知れた国産ワイン、甲州。

一般的に白の甲州ワインと言えば、

スッキリとした味わいの酸味のしっかりとしたワインを連想しがちです。

 

味わいは、淡麗と言って良いのかどうか判りませんが、

口に含んだ感じが冷たく感じる、食べ物の味を邪魔しないワインです。

 

ですから、

出汁の味で食べさせる和食なんかと組み合わせが多いですね。

意外と甲州ワインは鰹だしともぶつからないので、

エグミのある筍料理なんかとも相性がいいのです。

 

うん、これは、よく言えばの話しです。

 

悪く言えば、味わいが「薄い」のです。

薄いがゆえに、料理とも喧嘩しにくいという事でしょうか。

 

だって、和食に合うお酒は、

誰がなんと言おうが私は【SAKE / 日本酒】だと思っております。

元々、日本酒の酒蔵が全国にある日本の土地で、

ワイン造りを始めたのは、日本酒の杜氏だったと言われています。

だからと言う訳ではないと思いたいのですが、

日本のワインは日本酒の淡麗辛口を葡萄で表現しようとしたのではないでしょうか。

 

それ故の、薄い飲み口・・・。

 

私の日本のワインの印象は、こんな感じでした。

 

こんな私でも、

毎年、国産ワインを飲んでいるわけですが、

なかなか本場フランスや安うまワイン代表格のチリ産ワインを

越えると言えるワインには巡り会えないものです。

 

以前にこのブログで「重畳」と言う甲州ワインを紹介しましたが、

コストコで買った【 重畳/Choujou 2015 】を飲んでみた

このワインもやっぱり、甲州ワインの域を脱し得ていなかったと思います。

それまでの甲州ワインよりは味わいがしっかりとしているが、

流石に本場フランスのシャルドネやムスカデには太刀打ち出来ない印象でした。

 

「甲州は、やはり甲州なのか・・・」

 

まあ、日本のぶどうを使い、

日本人が醸造した甲州ワインに期待はするも、

やはり、日本酒以上の感動は得ることを出来ませんでした。

 

「やっぱ、日本人には日本酒があるから高望みしてはいけないのだろう・・・」

 

そんな半ば投げやりな感情さえ抱いておりました。

 

がっ!!しかし!!!

この考えを打ち崩すワインに出会えました!!

それが、この《甲州 i-vines vineyard 2017》です。

エチケットを汚してしまってすみません

 

このワインを知ったのは、年末に訪れたワインショップでした。

そのお店の大きな棚がすっぽり入る湿温度管理されたワインコーナーで、

このワインがなぜか輝いて見えたのです。

 

非常なシンプルなエチケットに「Koshu」、そして「2017」のテキスト。

「i-vines」の文字に思わず「iPhoneかよっ!」と突っ込みたくなるの気持ちを抑えつつ、

そっと手にしてみると、

このワインのただならぬ波動が伝わって来るのが判りました。

 

無色透明のボトルから見えるワインの色から、

「貴腐ワインなの?」と疑いながら裏のラベルを覗いてみました。

裏書きを見る限り、

デザートワインではなさそうです。

 

買ったのが年の押し迫った年末だったので、

もちろんおせちなどの和食に合わせるつもりでした。

しかしながら、

おせちの時は日本酒を飲んでしまい、

このワインのことはすっかり忘れていたので、

和食といえば和食、違うと言われれば違う・・・、

でも、日本が生んだ最高級メニュー「しゃぶしゃぶ&すき焼き鍋」に合わせることにしました。

 

肝心なワインの味わいは・・・。

 

RIEDELのシャルドネグラスで飲みましたが、

まず、ひと口目のアタックから違います。

通常の甲州にはない「グッ」と来る感じがあります。

香りも甘くまろやかで、甲州だとは気付け無いくらいにしっかりとしています。

 

一口飲んだ痕に、思わず

「うまっ!!」

と口から言葉がこぼれてしまいました。

 

フランスやオーストラリアのシャルドネの柑橘系とは少し違う味わい。

かと言って、

ゲヴュルツトラミネール(Gewürztraminer)」とも違って甘さも控えめです。

 

通常の甲州とは違うが、

でも、飲み口のさらりとした感じは甲州品種のそれを感じさせます。

 

う~ん、言うなれば、

フランスのシャルドネをシュール・リー的な風味と厚みを持たせて、

甲州のスッキリ感をしっかりとした果実味と香りで包み込んだ味わいです。

 

・・・・。わかりにくいですね。

 

でも、間違いなく、美味いです!!

 

そして、大事なのは料理との相性。

このワイン、

しゃぶしゃぶのポン酢味でも、ゴマダレ味でも、

すき焼きの割り下でも、なんなくこなしてくれます。

 

酸味のポン酢も邪魔をせず、

ゴマダレの濃厚な味わいもさらりとかわし、

日本食でも甘辛い部門上位入賞間違い無しのすき焼きのタレ、

そんな醤油と味醂と砂糖のジェットストリームアタックにも

ぜんぜーん負けてないんです。

 

と言うか、

それぞれの出汁の特性と喧嘩するのではなく、

ちゃんとそれぞれの味わいに対して、

自分の魅力をするりと流し込んで来るんですよ、

このワインは!!

 

北斗三兄弟で例えるなら、トキですね。
(余計わからんわw)

 

しゃぶしゃぶの出汁は定番の昆布とカツオ出汁、

もうひとつも定番のすき焼き用の割り下を使用しました。

そして、取皿には、

ポン酢・ゴマダレ・生卵の3姉妹。

使ったお肉は、A4国産牛のすき焼き用と国産豚のロースしゃぶしゃぶ用。

もちろん、お鍋の中には豆腐や野菜やキノコも入っております。

 

その、どの味の組み合わせでも、

このワインは柔軟に対応し、そして、自己アピールも忘れてないんです。

 

「なんちゅーワインなの、あなたって人は・・・。」

 

このワインは、擬人化してしまいます。

そのくらい、優しくもあり、暖かさもあって、味覚に語りかけて来るのです。

 

食事も終盤に差し掛かり、

少し煮詰まった割り下の味を優しくケアしてくれる

このワインを口に含み、

ふと遠くの空を見上げる様に顔を上げると、

そこには青空に流れる白い雲。

そして、どこまでも続いてゆく緑の絨毯。

汗ばんだ頬に吹く、心地よい初夏の風。

(作者の脳内イメージ)

 

そう、

フランスの青空を眺めているようだった

 

 

 

 


 

 

 

 

 

こちらの鍋だと、一度に2度の味が楽しめて重宝します。
ガラス蓋付きの火鍋用で28cmの大きさで尚且お手頃な鍋だと
このパール金属の鍋が一番コスパ高いと思います。
普通のフッ素コートが気にならないのなら、
もっと安いのもありますが、私は多少でもフッ素の影響を抑えたいので、
こちらの鍋を使っております。

 

やっぱり、ワインのポテンシャルを引き出すにはRIEDELですね。

安ワインでも、味わいをワンランクアップしてくれます。

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